繁殖について

繁殖ページを少し見やすくリニューアルしてみました。ということで早速
レオパは近年素晴らしい発展を遂げました。
多品種のアルビノ、大型の品種、色の濃さ、新しいカラーバリエーション
今後様々な発展をしていくことかと思います。
レオパの繁殖のいいところは
繁殖出来るサイズにするのに時間がかからない約1年以上で可能
親のカラーなどの表現を子供に引き継がれやすい。または次世代につながりやすい
繁殖が比較的簡単。
レオパは丈夫で飼いやすく管理がしやすい
飼育に場所をとらない、他の爬虫類に比べて大掛かりな設備がいらない
などが大体あげられると思います。
またレオパは長生きで10年以上生きる生き物です。
飼育下では8歳の個体でも繁殖に成功した方もいるようなので繁殖に関しては意外と長年同じ個体で楽しめそうですがなるべく一回繁殖に使えば約1年は休暇をとってあげなければレオパの寿命を大幅に短くする原因にもなります
長生きな個体だからこそ某CMではないですが、繁殖は計画的に行ってください。
それでは無駄な講釈はこの辺にいたしまして順を追って説明していきたいと思います。

繁殖可能なサイズ
まずどれくらいでレオパは繁殖可能なサイズか
よく質問されることでもあるのですが、レオパは大体何ヶ月くらいで繁殖可能か
というものです。
確かに冒頭でも書いたとおり1年以上としておりますがこれはあくまでも目安だと思ってください
基本的にレオパはグラムを判断材料とします。
まず♂個体は比較的♀より成熟期間が早いので45g以上から可能です。
また♀は50g以上から可能です。
極端な言い方をすれば♀は50g以上あれば飼育一年未満でも繁殖は可能です。
しかしまだ成熟期間が未熟な♀の場合ダイレクトに体にくるのでやはり1年はたっぷり栄養を与え万全に成熟個体を迎えるほうが飼育者にも個体にもいい結果が得られるはずです。
未熟な♀は卵詰まりの危険性を含みますし、卵を1個産んで終わり!なんてことも良くあります。
折角産まれた卵でも♀が未熟な場合無精卵の可能性もあります。
また♂をまったく受け入れないで攻撃してしまう場合も
ここは焦らずゆっくり個体を栄養たっぷりに時間をかけて育ててから挑みましょう

繁殖スタイル
まず繁殖には♂♀必要となるわけですが、野生のレオパは1♂に対し複数の♀でのハーレムを形成して生活しています。
なので♂♀1匹づつ入れてもいいし1♂に対し多数(飼育ケースに見合った)♀を入れてもよしと
ここは飼育する本人の自由ですが、
計画的に繁殖を行いたい方は1♂1♀で繁殖に挑むことをお勧めします。
♂のこの表現と♀のこの表現がうまく活かされた子供がとりたい場合などはハーレムだとどれがどれの卵やらわからなくなってきますので、やはりここは折角カラーやパターンも楽しめる品種ですので1ペア制でいってほしいものです。
その♀の交配の確認が取れれば♂をまた違う♀にかけるという方法をとってもかまいません基本的に♂は、精力はハーレムを作るぐらいですから強いと思われますが無理なオーバーワーク?は禁物ですのでほどほどに
では次に♂♀の見分け方を・・・・

雌雄判別

画面左が♂で右が♀です。
まず♂の説明から
♂は画像で見てわかるとおり尻尾の根元赤丸部分に膨らみがありますこれは俗にき○たまといわれる部分ですが、レオパの生殖器ヘミペニスを収納しているため膨らんでいます。
また矢印がさしている場所後肢の間に窪みが無数に並ぶ鱗があります。
ただこれはある程度成長した♂に現れる特徴ですので幼いうちは判別は難しいので♂♀わかる個体が欲しければある程度育ったサブアダルトを購入してください。
♀は♂のように尻尾の膨らみもなければ、窪んだ鱗もありません
しかし栄養が満点の♀の場合尻尾の根元が若干膨らんでいる個体もよく見かけますが、♂とは明らかに違う膨らみですのでどっちかわからない方は後肢の間の鱗で判断してください

クーリング

さて同居をする前に繁殖は♂♀共に発情している事が条件にもなりますが、
その発情を促す効果があるクーリングと呼ばれる方法があります。
これは一度レオパを低温で休眠させ、その後温度を上昇させると発情しやすくなるといわれています。
やり方としては
最初は、絶食させ、最後に食べた餌のフンをしたかを確認
これは腸の中にフンや未消化な食べ物がある場合温度を低下させるとそのまま活動が鈍くなり排泄せず体の中で腐ってしまうのを防ぐためなのですが
フンを確認したら1週間かけて温度を5度下げ
平均温度18〜20度になるまで下げます。
この状態を1ヶ月〜2ヶ月続けまた1週間かけて5度づつあげて温度を25〜30度ほどに戻してあげるとクーリングの完了です。

勿論クーリング中でも飲み水は切らさないようにしてください。
しかしCBの場合クーリングを行わないでも普通に交配できるので行う必要もないかもしれませんが、クーリングしたほうが孵化率がいいという人もいます。
これは未成熟な♀がクーリングによってしっかりと成熟するからではないかなと思われます。
成熟した♀はクーリングしなくても孵化率は高いように思います。
まったく発情しない個体に試してみる価値はありそうです。

同居

それでは成熟した♂と♀がそろった過程で話を進めていきたいと思います。
ここで問題になってくるのが♂を♀のケージに入れるか♀を♂のケージにいれるかですが
どちらでもいいというのが本音です。それではあまりにも説明不足ですので少し参考程度に
まず♂を♀のケージに入れた場合基本的にはうまくと思いますが、中には♀が自分の縄張りに
部外者が侵入してきたと思いご機嫌がななめになる子がいます。
♂が折角アプローチしても尻尾でバシ!っと一撃を食らわすときがあります。
♂ケージに♀を入れた場合少しおとなしくなる傾向があるので比較的成功しやすいこともあったり逆にやる気の無い♂を♀のケージに入れるとやる気をあらわにすることもあり
どちらがいいかは実は一概にいえません。個体にあわせ臨機応変にしてみるのも一興かもしれません。
交配
同居させた♂♀の飼育環境は普段通りでかまいませんが、交尾を確認できた場合は♀を隔離し単独飼育をしたほうがいいでしょう。
交尾はまず♂が尻尾を激しく震わせて興奮しだすのですぐわかります。
携帯電話のバイブのような振るわせ方なので『これか!』と思われるはずです。
そのまま♀に軽く噛み付いて動きを制御し交尾体制に入ります。
♀が交尾を受け入れると尻尾をひょいっと持ち上げ交尾が始まります。
その後♀が落ち着ける環境を作ってあげるのが繁殖の成功の1つです。
確認できない場合は一緒にしていてもかまいませんが、1♂♀1の場合♂が盛んに盛った場合1♀では負担が大きいかもしれません
一緒にしてから2〜3日くらいたったら♀を産卵床を用意した飼育ケースに移して様子を見るのが得策です。
やはり単独飼育と違い事故が起こる確率が上がりますのでなるべく早く隔離してあげましょう。
例としましては、めったに無いことだと思いますが♂が♀に殺された、尻尾を自切したなどの報告を知り合いの方達から聞いています。
また交尾を行った♀の特長としましては、餌食いが良くなりますので意外と判断できますが、元から餌食いがいい個体は(餌に対して異常に食いつきがいい子)は
判断が難しいかもしれません。
交配をしてほどなく10日くらいしましたら♀の体にも変化が見られるようになります
これはわかりにくい個体と一週間もしないうちに見られる個体もいますが

抱卵

これは約10日以上たった♀の腹部です。
どうでしょうお腹も膨らみ矢印の場所に白い塊のようなものが見えますでしょうか?
右が抱卵していないレオパの♀の腹です。
見比べてみると良くわかります。
このように10日以上経ってくると卵が透けて見えてきます
そろそろ産卵間近です。
先に述べたように個体差によってわかりにくい個体とそうでないといますので
卵が見えないから、かかっていないとあきらめずに1ヶ月くらいは見守ってみてください。
アレ産んでる!なんてことは良くあります。
大体交尾して卵を産むまでの期間は2週間〜5週間と個体ごとにばらつきがあります。

産卵

2〜5週間ほどたって♀が無事に産卵床に卵を産みます。
卵は産んであった状態のまま取り出し上下逆にしないように孵化床に保管します。
これは胚が出来る前であれば上下逆でもかまいませんが、上下逆のままだと卵が死んでしまいます。また鶏の卵のように転卵する必要もないのでそのままの状態で
保管してください。
産卵床から孵化床に移す際上下の心配をする方は卵にちょこっと印をつけると安心です。
卵は一度の交尾で3〜6回ほど産卵します一回の産卵で2個稀に1個卵を産みます。

TSD


爬虫類などで温度によって性別が決まる種がいますがレオパもTemperature-dependent sex determination=略してTSDという
温度依存性決定の種類です。
これはブリーダーにはありがたいものです。
是非狙って♂♀をとりたい方は参考にしてみてください

28度以下 ほとんど♀
30度 ♀7割 ♂3割
30.5〜31度 ♀5割 ♂5割
32度 ほとんど♂
34度以上 ほとんど♀

孵化床

孵化床に卵を移すわけですが、孵化床は基本的に産卵床で使った床と同じ素材のものでかまいません
バーミキュライトと水を1:1の割合が程よいようですが、室内の湿度や孵化ケースの穴の湿度変化によって多くしたり少なくしたりして孵化床の中の湿度を80〜85%くらいに保つようにしてあげてください。
孵化床の場合産卵床とは異なり湿度を慎重に保たなければならないので
湿度の目安がわかりやすいようにバーミキュライトに赤玉土を混ぜると湿度の目安がつき安かったりします。
バーミキュライトは産卵床孵化床として使える為便利
コツをつかんできたら自分のお気に入りの孵化床を探して使うのもいいかもしれません。
また重さでもわかりますが、動かして卵に余計な刺激をなるべく与えないでください
卵自体も日に日に重さが増していきますので卵の重さを目測できる方は別ですが
目で見てわからなければ洗った手で土を触って確認するほうが一番確実と思われます。
管理方法はプリンカップに1クラッチ管理する方法やタッパーなどで一括して管理する方法とありますが、ここは飼育者の好みでかまいません
温度管理ですが、なるべく温度差が無いように管理してください
急激に温度差が出てしまいますと奇形の原因や虚弱の原因にもなります。

孵化

卵は大体35〜60日の間で孵化します。
この期間のばらつきは高い温度のほうが早く積算温度によるものだと思いますが、
卵によって同じ日に産まれた別腹の卵でも同じ温度で管理して同じ日数で生まれてくる子とこない子がいます。
管理中の卵がへこんでしまったりしてしまった場合は無精卵か途中で死んでしまった可能性があります。
またカビがはえてしまうこともありますが、テッシュで軽くふき取ってあげると孵化するときがありますのでまだ希望は持てますが、その後へこんでしまったら死卵の可能性が高いです。
孵化が近くになるにつれて卵も少しづつ大きくなり孵化が始まります。


                                              

卵から顔を出してから10分〜数時間かかる子もいますので焦って引っ張り出さないように気持ちを抑えてください。
まれに次の日になっても出てこない子もいるようですが、初めての生きる為の作業ですので自力ででてもらうようにします。
次の日になってもまったく出てこなくて心配なようであれば、卵の切れ目に沿って
やさしく卵を開いて出してあげてもいいかもしれません。

ベビーの管理

生まれたてのベビーは個別に移し餌を食べるまでは静かに管理します。
餌を食べるタイミングは、最初の脱皮を終えてからのほうがいいでしょう。
稀に孵化初日に食いつく子もいますが、まだ体が落ち着いてない時期ですので
焦らず生後2〜3日後に脱皮を済ませてから与えてください。
脱皮が確認できなかった場合は日数でを計算して与えるか、小さなフンをしますのでそれが見つかったらあげてみてください。
餌の大きさは大体頭の3分の1の大きさ未満のものを与えてください。
コオロギなどはSSサイズやSサイズなどを、または食べやすいサイズに切って与えてもかまいません。
毎日〜3日に1回は餌をあげてください
食べないベビーは無理に与えるとストレスになって餌を食べる行為がいやになりますので、脅かさないようにコオロギの汁をなめさせたり工夫して食いつかせてみましょう。
それでもダメならサイズにあったコオロギの後ろ足を取って動きを制限して目の前に放してあげてみてください。
それでも食べなかった場合は生きたコオロギはそのつどベビーのストレスにならないように取り出してください。

帝王切開

過去に温度30〜31度で管理していた卵が2ヶ月以上孵化しなかったことがあります。
正確には80日くらいでしょうか、同腹のあとに生まれた卵のほうが全然早く孵化しており、心配になった私は卵を開く事を決意しました。
その卵は異様に大きくなっており水分を含みすぎたため卵内の圧力が強すぎ孵化までにいたれないと思った私はカッターで中のベビーを傷つけないように開いたことがあります。
死んでいる可能性も十分ありましたが確認のために

体は完璧に出来上がってるのに残念でならないと落ち込んでいると
ピョコピョコとなんと動き出しました。
一歩遅ければと思うとゾッとしますが、無事に動き出しその後も餌を食べ元気になりました。
また同じような卵が出たことがありましたが、その時は軽くカッターの刃先で卵上部に小さな切込みを入れ、水分を抜いてあげると余分な水分しかでず無事に孵化までいたった個体もおりました。
しかしこれは予定孵化日を超えても孵化せず異様に水分を含んだ卵以外にはやらないほうがいいと思いますし、失敗して死んでしまうことがあるかもしれません。責任はもてませんので皆さんはくれぐれも真似しませんように